大工の仕事は現場だけではありません。作業場では新築現場に向かう棚や引き出しなどの加工が進められています。と共に、建具造なども同時に取り組まれています。そして車椅子大工は、次なる仕事の準備に取り組みますが、計画した伏図の梁断面の確認の為、大きな梁材に架かる荷重算出と共に、曲げモーメントを計算して断面算定も行います。デスクワークも大切な仕事ですから、墨付け大工が構造断面を数値的に安全を確かめて構造図を計画できる姿は1000年を超える伝統大工の技術に現代の新しい知識を融合させた姿であり、今後の職人の世界に強みを付け加える道すがらだと思えます。
古い建具を直すよりも新たに造る方が気が楽だと話していました・・・でも、古いものから学ぶ良さもあるとも呟いてくれたのが嬉しかったです。
集中荷重は多めに算出したので安全側の過剰算定にはなりますが、大切なのは安全安心です。NGの時は低減しながら何度も計算してOKが出るまで確かめます。やはり計算ソフトのみに頼らず手計算を行う事で人が頭で考える事を私は、指導しています。
一度定年退職した熟練大工が棚を組み立ていました。
ビス頭を隠すダボ栓を削るその手元を見るとこの鑿でした。
聞くと50年使い続けた鑿との事です。愛着が感じられますね。
引き出し造りしてました。
一度現場に出して戻された引き上げ材の中からまだ使えるものを発掘して引き出し造りしているとアピールされました。
節穴はこの節太郎で抉って埋木して使います。