若手筆頭大工の安保が、大舘町の新築工事の階段材の加工をしています。樹種は桂の木の板で、岩手県森連の木材市場で入札し自社製材した県産材です。安保が、厚みを揃えて木取ると節や割れに入り皮が多くどうしようか困って見て欲しいとの事でした。さて、ご覧の貴方はどうされますか?一般的に多くの方々は、これは駄目で別な材を探そうとの話になる事が多いとは思いますが、「入り皮部分は抉ろう節穴は埋木割れは樹脂を埋めて磨こう」と豆鉋が登場しました。何年も生きた木に多少の落ちがあるのは当たり前で、仕方が無い事です。しかも節は枝があった所であり、その枝の先には葉が茂り、光合成しながら二酸化炭素を吸収して酸素を造ってくれた有難い印なのです。見た目で人間が駄目だと切り捨てず、丁寧に手を掛ける事が大切だと私は思うのです。豆鉋で抉ると、波だった抉り跡がすべすべして触ると気持ちよく感じました。「よく切れる鉋で、削ったところを触ると気持ち良いです。」と若手大工も嬉しそうでした。こうした事を若手に学んで貰い、捨てるところなど無く、職人の手の掛け方次第でこうした道具の扱いも知ると心強くなると心得てもらう事は私の念願でもありました。パラリンピックも始まりましたから、人も自然の木も同じで生命力を存分に生かした時に感動が生まれます。
こうした状態の木は桂の木に限らず、自然界には良くあります。流石にこのままでは使えませんね。
こんな小さな可愛い鉋の出番です。私の骨董品集めも時には役立ちます。
まずは練習します。
そして本番
大分目だ無くなって来ました。最後にザンドペーパーを当てると綺麗になりました。
抜け節も良くあります。
埋木用に丸く加工しています。
埋め込んで最後に磨きます。先に穴を明けず。埋め物を先に造るのが大切との教えですが、今回は先に穴をあけてしまいました。
年輪を楽しめる埋木としてみました。同じ桂の木です。最後にもう一押し磨きます。