2018年08月
新着記事
最近のコメント
月別
カテゴリ
2018.08.20 11:16

釜石の新築

 釜石の新築工事は好摩作業場で、構造材の刻みが勢いよく進んでいます。車椅子大工の大和田が墨を付け、20代大工の面々が見習いながらも刻み、30~50代の熟練が共に教えながら刻んでいる、次世代に繋がる仕事をしています。ところで、時代はプレカットと云う機械で刻むのが主流ですが、手刻みとの違いは、時間短縮でコストが安くなることです。正確で間違いが少ないとも言われましたが、加工機材の精度が落ちると、斜めになって酷い目に合います。パソコンに入力する担当者が間違うと現場で組めない事もあります。そうした時に人の手で刻んで直すのですが、日々こうして刻んだ経験のない大工だとそれも出来ませんから、プレカット工場の手直しが来るのを待つしかありません。と云うよりも、怒鳴って怒ってるだけなのです。この様に建物を自らの手で加工して組み上げる事が無くなると、職人魂も消えて、誰かのミスを責め立てるだけの雰囲気の悪い現場へと成長してしまうのです。自分の家がそんな風に扱われるなんて嫌ですよね!手刻みだと人が最初から手を掛けるので、木組みへの愛着がわき丁寧に心が籠る家造りに繋がります。そして職人魂も各所に見えて来る楽しさが施主様へのサプライズになるものです。



 この仕口写真を見ると、四角いですよね。プレカットだと丸いのです。丸いと組み上げの際に仕口が回転するのでゆるゆるですから急ぎ金物で締め付けないと建物が揺ら揺らいで怖いのですが、大工の手刻みだと、ガッチリと組み合わさるので、組んで建て上げた時から頑丈さが判ります。それでも建築基準で示された金物は法規通りに取り付けるので、とても強い構造体になると感じます。

















 車椅子バスケだと前輪を持ち上げて動き回りますから、脳した作業でもその癖が出て素早く動き回るの、見ていて惚れ惚れしてしまうほどの頑張りです。

80歳を過ぎた遠山棟梁も刻みを応援してくれています。そればかりか、確りと若手の仕事を見てくれていて有難いものです。